フクロモモンガは、社会性が高く群れで生活しているので、多頭飼いには、メリットしかないと思い込んでませんか?
多頭飼いにもデメリットが存在します。
ご自宅のフクロモモンガがケガをしてしまう可能性があります。
本記事では、フクロモモンガの多頭飼いについて、メリット・デメリットを解説し、具体的な飼育のポイントを紹介します。
この記事を読んでわかること
- フクロモモンガの多頭飼いの3つのパターン
- フクロモモンガを多頭飼いするメリット5選
- フクロモモンガを多頭飼いするデメリット5選
- 多頭飼いを成功させるコツ3選
1. フクロモモンガの基本性格と社会性
フクロモモンガは自然界で群れを作って暮らす動物です。
オーストラリアやニューギニアに生息しており、10匹以上の群れを作ることもあります。
この性質から、1匹だけで飼育すると孤独を感じやすく、ストレスや健康問題につながることがあります。
多頭飼いを考える際は、フクロモモンガが「社会的なつながりを求める動物」であることを前提に、その性格をしっかり理解しましょう。
2. 多頭飼いの種類(ペア、グループなど)
フクロモモンガの多頭飼いには、大きく分けて以下の種類があります。
- ペア飼育: 異なる性別のフクロモモンガを飼育する方法です。繁殖の可能性があるため、避妊・去勢手術を検討する必要があります。
- グループ飼育: 複数のフクロモモンガを一緒に飼育する方法です。性別や年齢、性格などを考慮してグループを構成することが重要です。こちらも、別の性別同士でグループを組ませる場合には、繁殖の可能性がございます。
- トライアド: 1オス2メスの組み合わせで飼育する方法です。自然界に近い状態を再現できると言われています。こちらもペア飼育と同様に繁殖の可能性があるので、繁殖を望まない場合は、避妊・去勢手術の検討が必要です。
3. フクロモモンガを多頭飼いするメリット
① 心の安定とストレス軽減
フクロモモンガはコミュニケーションを通じて絆を深めます。
同じケージ内に仲間がいることで孤独感が軽減され、ストレスが減少します。これにより、健康を維持しやすくなります。
ポイント
- 2匹以上だと活動が活発になり、健康的な生活リズムを保ちやすい。
- 仲間と一緒にいることで、鳴き声や異常行動の頻度が減少するケースが多い。
② 自然な行動を観察できる
多頭飼いでは、フクロモモンガ同士の交流を観察することができます。
毛づくろいや遊び、食べ物の分け合い、時には、喧嘩といった自然な行動を観察することができます。
③ 運動量が増える
複数匹で一緒にいると追いかけっこや遊びをする機会が増えます。
これにより、運動不足を解消でき、肥満やストレスによる病気の予防につながります。
④ 飼い主の負担が軽減される
フクロモモンガは社会性が高い動物なので、触れ合ってあげる遊びの時間が重要です。
1匹飼いの場合、飼い主が全ての遊び相手やストレス発散の役割を担う必要がありますが、多頭飼いならその負担が軽減されます。
フクロモモンガ同士が遊んだり寄り添ったりすることで、飼い主が不在の時間も充実させられるのです。
⑤ 夜鳴きの軽減
フクロモモンガを単独飼育している場合、仲間を求める習性から、夜中に「ワンワン」と鳴いてしまって騒音トラブルなどに発展する恐れがあります。
習性で仲間を求めて鳴いていますので、多頭飼いをすることで、夜鳴きが軽減されます。
4. フクロモモンガを多頭飼いするデメリット
① 飼育スペースが必要
多頭飼いでは、広いケージが必要です。狭いケージではストレスが増加し、けんかの原因になります。
具体的なサイズの目安
- 2匹の場合:縦60cm×横60cm×高さ100cm以上
- 3匹以上の場合:それ以上の大きなケージが推奨されます。
② 食事やグループ内のトラブル
フクロモモンガは群れで行動しますが、時にはけんかが起こることもあります。
特に食事や縄張りを巡る争いが発生しやすいです。
- 食べ物の取り合いを防ぐために、複数の餌皿を用意する。
- 新しい仲間を追加する際は、段階的に慣らしていくことが重要。
特にオス同士で同じケージに同居させた場合に、縄張り争いが発生してしまい、けんかしてしまう可能性が高いです。
③ 医療費や飼育費の増加
多頭飼いになると餌やおやつの量が増えるほか、医療費も匹数に応じて増加します。
また、広いケージや複数のアクセサリーが必要になるため、初期費用も高くなる可能性があります。
フクロモモンガの医療費は高いので、ペット用の健康保険に入ることも、もしもの備えとして重要です。
④ 個体差による性格の問題
フクロモモンガには個体差があります。
社交的な個体もいれば、警戒心の強い個体もいます。
性格の違いが強いと仲間との相性が悪くなることもあるため、慎重な観察が必要です。
飼い主様が、充分に検討してお迎えした個体であっても、家の環境に合わなくて、ペットショップやブリーダーさんのもとで見た性格と違ったということもあります。
⑤ 同じケージで飼育することを断念
飼い主様が、ペットショップやブリーダーさんに相談してご自宅のフクロモモンガさんと相性が良いとおもって、お迎えをしたパートナーであっても、いざ対面させると全く相性が合わなかったということもあります。
場合によって、絶えずけんかが起きてしまい、ケガにつながってしまいます。
その場合は、双方のフクロモモンガのためにも、別ケージで飼うこと決断をして、同じケージで飼うことを断念することがあります。
5. 多頭飼いを成功させるコツ
① 事前準備を徹底する
多頭飼いを始める前に、以下の準備を行いましょう。
- ケージを広くする:運動スペースや隠れ家を十分に確保。
- 餌皿や水飲み場を複数用意:取り合いを防止。
- 初対面の環境を整える:中立的な場所で徐々に慣れさせる。
② 個体の相性を見極める
新しいフクロモモンガを追加する場合は、少しずつ慣らしていきます。
いきなり同じケージに入れるとけんかの原因になるため、ケージ越しに様子を見せながら段階的に合流させましょう。
お互いの臭いがついたポーチなどを交換してあげて、存在と匂いを互いに認識させます。
その後、フクロモモンガ同士でお互いを認識したら、飼い主様の立ち合いのもとお見合いをさせてみて、けんかがないようでしたら、同居させることが可能です。
性格の似た個体同士を合わせることで、比較的早い段階で互いを受け入れ始めます。
③ 獣医のサポートを受ける
信頼できるエキゾチックアニマル専門の獣医師を見つけておくと安心です。
健康チェックや相性のアドバイスをもらうことができます。
6. フクロモモンガの多頭飼いが向いている人とは?
こんな人におすすめ
- ペットに十分な時間を取れない方:フクロモモンガ同士が遊び相手になります。
- 2匹以上の飼育スペースを用意できる方。
- フクロモモンガの自然な行動を観察したい方。
注意が必要な人
- 初めてフクロモモンガを飼育する方は、まず1匹で飼育の基礎を学ぶことをおすすめします。
- スペースや予算に制約がある方は慎重に検討してください。
- 繁殖を望まない場合は、避妊・去勢手術を検討しましょう。
7. まとめ
フクロモモンガの多頭飼いは、彼らの社会性を尊重した飼育スタイルとして非常に魅力的です。適切な準備と管理を行うことで、フクロモモンガ同士の交流や活発な行動を楽しむことができます。
一方で、飼育スペースや費用、相性など注意すべきポイントも多いため、事前にしっかりと準備をすることが重要です。
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